そのひとつ、Czapekの展示会を訪問し、思わぬお宝を発見しましたので、今日はそのお話です。
Czapekのオフィスは、ジュネーブ中央駅から、カルージュ方面行きのトラムに乗り、Plainpalais(プランパレ)というところで下車してすぐのところにあります。
まもなくして、オフィスの入っている建物に到着します。
さて、そこで見せてもらったのは、François Czapek(フランソワ・チャペック)が、1852年頃製作したポケットウォッチ。彼の製作した作品は、ほとんどが献上品であったり、一般の人が入手できていたとしても「家宝」として購入することが多かったこと、それから、彼自身の活動期間も短かったため、当時のものにお目にかかる機会は極めてレアだそうです。
では、実際に拝見したモデルです。
18Kゴールド製32mm径のケースに、エナメルのダイアルがセットされた鍵巻きのポケットウォッチ。
ケースの両面には、コート・オブ・アームスと細かな装飾がなされています。
CEOのXavierによると、この紋章の形は、フランスやイギリスのものではなく、スラブやオーストリアあたりに特有なものであろうということでした。
そして、内ブタには、
Czapek & Cie
A GENEVE ET PARIS
Place Vendôme 23
No. 1503
Czapek時計会社、ジュネーブとパリのヴァンドーム広場にアトリエを構えていたことが刻印されています。
筆記体で刻印されているのは、「Cylindre huit trous rubis(シリンダー・エスケープメント 8石」というセンテンスです。
そのムーブメントは、こんな様子です。
この時計を見ていて、Czapekという人は、「時」ということを通じて「美しさ」というものを表現しようとしていたのだということを改めて感じました。
そして、彼の「美意識」を継承した現在のCzapek社の新作のひとつが、実際彼がやっていた独特のギョーシェである「Ricochet(リコシェ)」を表現したダイアルを搭載したQuai des Bergues(ケ・デ・ベルク)のニュー・バージョン。
レインフォレスト・グリーン ダイアル |
リュバーブ・レッド ダイアル |
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