チャペックの新作、アンタークティック。完成までのストーリー(動画特集)

チャペックの最新作、アンタークティック。数々の困難を克服し、やっと完成品のデリバリーまでたどり着きました。



今回は、このモデルに搭載される完全自社製のムーブメント「キャリバーSHX5」の開発と、モデル製作に至る道程を、CEOであるザビエルをフォローしながら制作したショートムービーでご案内いたします。

物語は、ブランド創設時から動画を製作している、マックスとレオの視線を通して製作された、チャプター1から5までの5部構成になっています。


CHAPTER 1



私たちはカメラで6年間、チャペックをフォローしています。驚いたことに、最初はワンショットの撮影のつもりでしたが(「The Return of a Legedary Watch Brand – 伝説の時計ブランドの復活」をご参照ください)、遥かに大きな、ドキュメンタリー・シリーズになりました・・・そして、ユニークな友情の始まりです。

オリジナルの自社製ムーブメントを備えたニューモデルのことを聞いたのは、2019年でしたが、この高級時計の製作プロセスをビデオでキャプチャーできたのは、2020年の初頭のことでした。

チャペックとそのチームのことを記録するたびに、私たちは常に興味深く、啓発的ななにかを感じてきました。今回も例外ではありません。

プレミアムなスポーツウォッチと初の自社製ムーブメントを製作するというチャペックの冒険は、南極大陸への冒険に似ています。世界でもっとも寒くて風が強い大陸かもしれませんが、その時代を超えた美しさを目の当たりにするための闘争や遭遇する不安は、それ自体に価値があります。

私たちの計画は、ニューモデルとキャリバー完成にいたるチャレンジと成功をカバーするドキュメンタリーを製作することでしたが、パンデミックにより方向転換せざるを得なくなりました。そこで私たちは、チャペックのCEOであり親友であるザビエルをフォローする一連のショートムービーで、私たちが体験したことをレンズを通してお見せすることにしました。

私たちの最初の訪問である、ABコンセプト社では、創設者のオーレリアンが、アンタークティックのために製作したコンポーネントを見せてくれました。

この旅に参加して、アンタークティックの不思議と、その物語を一緒に発見してみてください。


CHAPTER 2



ザビエルを取材するとき私たちが経験する中で思い出に残る一つは、男女ともですが、様々なクラフトマンに会い、彼らの卓越したスキルを直接目にすることです。彼らが行っている複雑な作業についての巧妙さ、正確さ、そしてその知識は非常に魅力的です。

2月のある寒い日にABコンセプト社を訪れた時、アトカルパ社に行く機会もありました。時計の製作に必要な脱進機、歯車類、ピニオン、その他のコンポーネントの仕上げを行う忙しいワークショップでした。これらのパーツを組み立てて美しい製品を完成させるテクニックを目の当たりにして、チャペック社がどのように取り組んでいるか、ということを思いました。さまざまな企業や場所からの大小の人々の集まりですが、すべての人が何らかの形で夢を創造するために貢献しています。それが、アンタークティックの創作です。


CHAPTER 3



チャペックの自社製ムーブメントであるSHX5でもっとも特徴的なエレメントのひとつがブリッジです。この貴重なパーツの装飾のために、チャペック・チームは、さまざまなクラフトマンにポリッシュを行わせる「ブラインド・テスト」を開催することにしました。そしてチームは、企業や個人名を知らずに、一人の勝者を選びました。そして、チャペックの「歴史的な」最初のパートナーである、クロノードが勝利したことには偏見や驚きはありません。

クロノードはチャペック・ファミリーの最初のメンバーのひとつです。私たちは、チャペック初のモダンな時計であるケ・デ・ベルクのムーブメントに取り組んでいた頃の2015年に彼らに会いました。数年後、チャペックのアトリエは、彼らと同じ建物内に作られました。このため、クロノードのワークショップでは、長年の隣人の家で期待するのと同じように、雰囲気は常にフレンドリーで親しみやすいものになっています。

クロノードがやっているのは、光の反射をキャプチャーする完璧にポリッシュされたアングルにより、ムーブメントのすべての輪列とコンポーネントをより美しく見せることです。彼らは面取り、その他の仕上げを専門としており、すべて手作業で行われています。


CHAPTER 4



パンデミックは私たち全員に本当に影響を及ぼし、その悲劇的な結果は世界中のすべての人に恐怖と疑いを引き起こしました。私たちが現在経験しているすべての不確実性にも関わらず、コロナウィルスの流行は、私たちがどのようにして回復力と勇気を持ち得ることができるかを私たちに認識させます。それは、私たちの考え方や生き方を変えることを私たちに促します。そして、前進する方法を決めるのは私たち次第です。

私たちは、危機が落ち着いた初夏にスイスに戻りました。

私たちは最初にABプロダクト社(ちなみに、ABプロダクトとABコンセプトは同じ会社です)をもう一度訪れて、彼らが取り組んでいるブリッジのことをピックアップしようと思いました。クロノードのように、彼レは最初からチャペックの信頼できるパートナーでした。彼らは技術的に優れているだけでなく、オーレリアンと彼のチームは常に創造的で革新的であり、チャペックと同様、境界線を打ち破りリスクを冒すということに刺激を受けています。

次に、ザビエルについてラボに行きました。そこではプロトタイプの組み立てが行われていました。これはおそらくプロセスの中でもっとも視覚的に刺激的なところです。なぜなら、すべてのコンポーネントが最終的にまとめられて完成した、初めて自社ムーブメントの動きを直接目撃することになるからです。SHX5が誕生するのを見るのは本当に驚異です。いくつかの試練と困難にもかかわらず、チャペックは休息をとるような様子もありません。・・・


CHAPTER 5



今年の7月、チャペックは最後の挑戦の前の重要な段階にありました。これはコントロール・プロセスと呼ばれるものです。この段階では、時計の各パートにいくつかの綿密なテストを行い、3ミクロンの公差で各コンポーネントの機能と精度を確認します。

私たちは、メトロロジー社を訪問し、チームがSXH5のメインプレートを制御する最新のプロセスを熱心に見せてくれました。最初はそれほど波乱に富んでいないように見えるかもしれませんが、実際、マイクロメカニクスの世界では非常に重要な手順です。基本的にここで、発明や設計が機能しているか、変更する必要があるかどうか、つまり、良いニュースと悪いニュースの担い手を見つけることができます。クロノメトリーのトップレベルをもつブランドは、単一のモデルを完成させる前に、数十または数百もの検査に達する可能性があります。高水準の品質を確保することは避けられない方法であり、チャペックは最高のものを目指しています。

メトロロジー社のあと、私たちはチャペックの新しく才能のあるウォッチメーカー、ジュリアンのアトリエに立ち寄りました。彼は柔らかな口調でテール・アデリーとアビスのプロトタイプを組み上げに専念していました。私たちはウォッチメーカーが組み上げている姿とその努力を目の当たりにして、アンタークティックをさらに深く理解することができました。私たちは、美しさの背後にあるすべてのチャレンジと複雑さに気づきました。そして最後に、次のエピソードでは、アンタークティックのファーストピースが、誇り高きオーナーに届けられます。




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