ANTON SUHANOV - part 1

この度弊社では、ロシア、サンクト・ペテルブルクの独立時計師、Anton Suhanov(アントン・スハノフ)が手掛ける、3Dトゥールビヨンを内蔵したテーブル・クロック「Pharos(ファロス)」の取り扱いを開始しました。




これから数回にわたり、彼とその作品について、ご案内いたします。

About the Master - Anton Suhanovという人物


Anton Suhanov(アントン・スハノフ)は、すぐに時計業界に参入したわけではありません。サンクト・ペテルブルク工科大学のCAD (Computer-Aided Design – コンピュータ支援による設計) / CAM(Computer-Aided Manufacturing – コンピュータ支援による製造) / CAE(Computer-Aided Engineering – コンピュータ上の試作品を用いてシミュレーションし分析する技術) / PDM(Product Data Management – 製品情報管理) / PLM(Product Lifecycle Management - 製品に関するマーケティング、企画、製造から販売、保守、廃棄までのライフサイクル全般にわたる情報、製造・販売コストや部品供給会社など外部の関連情報までを包括的に管理すること)技術の修士号を取得した後、防衛企業の設計局で働いていました。

2007年にKonstantin Chaykin(コンスタンチン・チャイキン)と運命的な出会いを果たし、ChaykinはAntonを、彼が立ち上げた若い野心的な工房のコンストラクターとして招き入れました。Antonは2018年までの10年間、この職を務め、その期間に会社の発展に貢献するとともに、時計製造の分野での経験を積みあげ、それを蓄積し、彼自身のスキルとスタイルを完成させました。


2016年、Antonはバーゼルのウォッチメイキング・コンテストで優勝し、多くのすぐれたウォッチメーカーに出会ったことが、時計産業における彼のヴィジョンに影響を与えました。


2018年まで、AntonはKonstantin Chaykinで、製造部門のディレクターとして働きましたが、その間に、時計製造技術におけるすべてのニュアンス、組織での経験、現代の技術と伝統的なウォッチメイキング技術を融合した開発など、大きな知識を得ることができました。

ファースト・モデル PHAROS(ファロス)

2019年 Anton Suhanovは、自身の工房を設立しました。11月には、Anton Suhanov名義での初めての時計、PHAROS(ファロス)テーブル・クロックが発表されました。


Manufacture - ロシアにおいて「時計を作る」ということ

時計を作るということは、常に非常に複雑、費用もかかるし、骨の折れるプロセスが要求されます。特に、伝統的なスイスのウォッチメイキングにおける最高水準に沿ってそれがなされる場合にはなおさらです。





しかし、時計製作に必要なパーツをどこで調達するか(自社工房で作る、あるいはサプライヤーから供給してもらう)ということを選択できるスイスのウォッチメーカーとは異なり、私たちにはそのような選択肢はありません。現在ロシアには、求められる特性と適切なレベルでの仕上げのクォリティを備えたパーツを供給してくれるようなところは無いのです。



ですから、設計、エンジニアリング、技術面における準備、製造管理、仕上げからアセンブルに至る一連の過程は、すべて私の工房内で行われました。

(part 2に続く)





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